以前、どっぷりとヨガにはまっていたことがある。
当時の私は、生活のすべてがヨガとともにあった。
インド人やネパール人の先生がすすめる菜食に傾倒し、海外から有名なヨガインストラクターが来日すると聞けばハードなワークショップや合宿に参加し、インド文化のコミュニティに首をつっこみ、毎日瞑想をし、神秘体験をし、顔つきまでインド人みたいになってた。
ところがあるときなぜだかパタンと興味がなくなった。
なくなりはしたが、その後もインド料理のお食事会があれば嬉々として駆けつけるし、たまには起床後に太陽礼拝やアシュタンガのシークエンスをやってみる、という程度の「なんちゃってヨガ好き」に変身した。
それはそれでよかったと思う。
なにごともほどほどに。
今日、家の近所のベジランチを出すカフェに知人と寄ってみた。
週末だけベジタリアン向けの軽食を出す。
美味しいズッキーニのカレーをいただきながら、いかにもヨガのインストラクターのようなオーガニックオーラ漂う美しいご店主と常連のお客さんとのおしゃべりに耳を傾けてみると、ご店主はなんでもインドから呼ばれている気がするのだという。
だから行かなきゃいけない。呼ばれてる。インドのどこに呼ばれているのか、それはわからない。でも呼ばれてる。
というような内容だった。
そうかぁ、呼ばれてるんだぁ。彼女がインドに行ってしまったら、こんな美味しい週末ランチが食べられなくなるじゃないか。
でも呼ばれてしまうような人の作るお料理だからこそ、こんなに美味しいのだ。
食後、彼女がすばらしく上手にいれてくれた香り高いネパール紅茶をいただきながら、思った。
呼ばれちゃうとねぇ、もう、それはしっかりと呼ばれちゃってるってことですからねぇ。
なのでせいぜい今のうちに、彼女の作る美味しいベジランチを食べに通わなくては。
