知り合いでもなんでもない人と一日のうちに何度もお会いすることがたまにある。
昨日はそんな日だった。
とあるデパートの駐車場階から乗ったエレベーター、隣に立っていた和服の女性の粋な着こなしが気になって、さりげなく注目。
私もその女性も1階で降りた。
買い物を済ませ、別フロアに移動しようとエレベーターに乗ると、さきほどの和服の女性があとから乗ってきた。
明らかにおたがい「ん?」という感じだが、知り合いでもないのだし、まあ、こんなこともあるのか、という程度で目的の階へ。
日用品を買う。
次の予定まで時間が余ってしまったので、手近なところで同じフロアのティールームへ入ると、またも先ほどの女性がすでにお席についておられた。
私の姿を認めたその女性は、ティーカップをお口に運びながら、さすがに驚きを隠しきれない表情。
私もちょっとびっくり。
奇遇だけれど、でも話しかけるというご縁ではないような感じがしたので、少し離れた席に座り、不思議な気分のまま繊細で華やかな香りのダージリンをいただく。
私が紅茶を飲み終わる前に、その女性はお店を出ていった。