Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

りえちゃんへ

知り合いの著述業の方とお食事をした。
畑は違えどかなり前からたびたびオシゴトをご一緒する機会のあった方なので、表面的には近況報告やら、なにやかにや、あるわけだが、私達の最大の目的は、とある珍しい食材をいただくことだった。
スコットランドから空輸された雷鳥をいただきに行ったのだ。
ほろ苦く、鉄分を豊富にふくんだ、滋養のかたまりのような雷鳥の肉。
まさに大人のジビエである。
大満足のお食事。
おまけにその方のご著書を頂戴し、ありがたいことにサインまで入れてくださるというので、もちろん二つ返事でお願いしたのですが、どのように書きましょう、たとえば「濱田理恵さんへ」「Darieさんへ」「りえちゃんへ」、、、おお、ここは思いきって「りえちゃんへ」でひとつよろしくお願いしますってことで、裏表紙にでかでかと「りえちゃん」宛にサインを書いていただいた。
私の名前は生まれてからこのかた「理恵」であるが、私を名前で呼ぶのは実家の家族と、親戚と、たまに行くブティックの店員さんである。(顧客が女性であった場合は結婚して姓がかわったときに混乱しないように最初からファーストネームで呼ぶのですね)
それにしても「りえちゃん」とは。
まるで別の人のようだ。その字ヅラを眺めれば眺めるほど、どんどん不思議な気持ちになる。
直前にいただいた雷鳥の強力な風味と相まって、自分の組成がゆっくりと別の何かにいれかわってゆくような気分を味わった。


名前とは面白いもので、別の名前を持つと、そのような人になる。
たとえばmixiネームで私を呼ぶ人々と丸一日過ごすと、微妙にそんな人になってる。
それは具体的にどんな人なのか、うまく説明できないけれど、「そんな」人なのだ。
かれこれ4年近くも特定のハンドルネームを使っていると、少しずつだが「そんな人」が板についてきたような気がする。
そういえば、ごく最近、知り合いの方が改名された。新しいお名前を口に出して言ってみると、まったく別の人。
どこの誰だかぜんぜん知らない人。
その方の顔も声も雰囲気も、何も浮かんでこない。
こういう「まっさら感」て面白いなぁ、と思った。
新しいペンネームでひっそりお仕事してみるのも、楽しそうだ。