エリック・サティのピアノ曲を弾いている。
サティのピアノ曲はこれほど世の中で有名なのに、実はあまり弾いてみたことがない。
日本版のピアノ譜が初めて出版されたのはかれこれ20数年前のことだけれど、当時世の中には静かなサティ・ブームがわき起こっていて、流行モノには疎い私もさすがにすぐさまその楽譜集を買いに走った。
しかし、買ったものの、パラパラと弾いただけで、その後はずっと手も触れず。
このたびお仕事関係でサティを弾く必要に迫られ、今更ながら弾いてみているのだが、スケッチのように思えた細部も、とても巧みに作られていて弾きやすい。
あまり知られていない抽象的な曲がたのしい。
たとえて言うならば、世界を股にかけるバリバリのキャリアウーマンだった超〜美女が年下の富豪と結婚してさっさと仕事も辞め、結果生まれた暇な時間を大いにもてあましているような状態のとき、愛する夫のために別荘で突発的に気合いを入れて作ってみた、きわめて創作度の高い不思議なお惣菜、、、という感じ。
果たしてそのお料理が成功だったのか、不成功だったのか、食べてみた妻にも夫にもよくわからないけれど、二人にはとても美味しく感じられるのだし、なにより愛があるからいいよね！みたいな感じ。
なんてこと書くと、本職のピアノ弾きの方々からブーイングが飛んでくるかちら。。
なににせよ、楽しい。弾く、ということ以外に、いろんな楽しさがある。
