Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

あるジーサンに線香を

darienonikki2012-04-04

今月の20日から三越劇場で始まるお芝居「あるジーサンに線香を」。
全編にわたって音楽を担当させていただいている。
去年の震災で一度公演が取りやめになったが、よろこばしいことに再演されることになった。
取りやめ決定の段階で全20数曲の音源のうち、6割方が完成していた。
役者さんたちが本稽古に入る前にはほとんどの音源が仕上がっていることが望ましく、猛ピッチで作業をすすめていた、まさにそんなときに、あの地震は起きた。
その後長い間、作られた音楽たちは行き場所を失ったまま私の作業用PCの中でまどろみの時を過ごしていたが、このたび有り難くも外界の光と風を浴びることになった。
新たに作るものあり、修正するものもあり、ここ数ヶ月間断続的に作業を続け、とうとう残すところあと1曲となり、最初にこのお仕事のお話しをいただいてから1年半の時間をかけてようやく全曲が完成する。
そうなれば音楽家である私の役目はほぼ終わり。
すでに始まっている立ち稽古を要所要所で拝見させていただくのみとなり、実のところ今、ものすごくホッとしている。
舞台は生き物だから幕が開くまで決して油断はできないが、締め切りの迫っているジリジリと落ち着きのない精神状態から脱出し、5月に関西で友人と開くことになってる音楽とアートのワークショップや、他にも抱えてるお仕事のことをゆったりとした気持ちで考えることができる。
そんなわけで本日は、大変な暴風雨が吹き荒れた翌日の澄んだ青空と日差しを体中で咀嚼しながら、音楽スタジオに個人トレーニングに行ってきた。
ピアノを丁寧に弾き、思いっきり声を出して喉を調整し、龍笛の練習もし、最後はとにかくピアノをがんがんに弾きたおして、めいっぱい消耗して滞在先に戻ってきた。
このお芝居のテーマは、「いのち」。
東野圭吾氏の同名の原作を土台に、私が大好きな脚本家さんである福田卓郎氏が脚本を書かれ、なんとムサ美の大先輩である中村金太氏が演出される。
おまけに中村金太氏と私は偶然にも同じ3月4日生まれなのだ。
いのち、愛、約束、思い出、慈しみ、、どれかが欠けても私たちはこの現世を幸せに生きていくことはできない。役者さんたちが真剣に取り組んでいる立ち稽古を稽古場の隅っこで見させていただきながら、そんなことをズッシリと考えさせられた。


公演は4月20日〜26日、三越劇場にて。28日、名古屋中日劇場にて。
詳しくは、↓三越劇場のサイトをご覧ください。
http://bit.ly/bW7ywX