Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

『ダリエ百葉窓』楽曲解説。15曲目「ソノ夕日ノ涯マデ」

darienonikki2015-01-15

15.「ソノ夕日ノ涯マデ」


作編曲:Darie
アルバム9曲目と10曲目に収録されている楽曲と同様に、演劇作品『あるジーサンに線香を』のために作った曲です。
原作:東野圭吾
脚本:福田卓郎
演出:中村金太
音楽:Darie
初演:2012年4月20日 三越劇場にて
9曲目「イノチノツブヤキ」と10曲目「君ノ手ノ中ニ」については、当ブログに記述があります。
http://d.hatena.ne.jp/darienonikki/20150108


愛華みれさんが、登場人物の花田広江という女医さんの役を演じられました。
当曲「ソノ夕日ノ涯マデ」は、広江の内面を描写する曲として作りました。


主人公の老人(モト冬樹さん)は主治医(おりも政夫さん)の強い勧めで、若返りの手術を受けます。
医学の常識を根底から覆すほどの若返り効果をもたらすと予測されるものの、まだ実験段階の危険な手術です。
広江は恋人である医師の命令で、中年期にまで若返った主人公と一夜限りの情交を結びます。
患者の寿命を縮めてでも若返りの手術を成功させようとする冷徹な恋人と、日々若返っていく主人公の間で揺れ動く女心の機微・・・。
ピアニカのみのシンプルな曲です。
しかしながら、この曲を作り始めた当初はピアニカではなく、サックスでの演奏を想定していました。
演出家に提示した最初のデモ音源はシンセサイザーのサックスの音色で弾いています。
その後、震災がきっかけで私の住居と作業場を大阪に移動させることになり、本録音の場所は大阪となったため、友人のサックス奏者さんに来ていただくにはあまりに遠すぎて(笑)、やむなく私のピアニカ演奏になりました。
アルバムには、2013年の再演の際に新たに録音したバージョンを収録しています。


このお芝居で私は全面的に音楽を担当させていただいていますが、新たに曲を書き下ろすだけでなく、私の過去のアルバムからも何曲か使っていただきました。
私の2枚目のアルバム『Darie』に収録されている「みゅう」や「抱いて抱いて抱いて」という曲は、若きヒロイン井上千春がライブステージで歌ったという設定となり、幕間の休憩時から第二幕の冒頭にかけてフルサイズで流していただきました。
そして、このお芝居のメインテーマともいうべき音楽には、アニメーション番組『ママレードボーイ』の挿入歌として作った「あなたにおやすみ」という曲が採用されました。
番組のサウンドトラック集に収録されているバージョンに私のコーラス群や楽器をダビングして手を入れ、少々ゴージャスに作り直したものをラストシーンで使っています。
更にラストシーンの伏線として、劇中では別アレンジバージョンがたびたび流れます。
千春がコンサートのアンコールで歌うシーンにも、この曲が使われました。
このあたりの経緯は過去のブログでも触れていますので、併せてお読みください。
http://d.hatena.ne.jp/darienonikki/20120426
http://d.hatena.ne.jp/darienonikki/20131203


演出家の中村金太氏は、直感力の鋭い方。
こと演劇の世界では、この直感力によって判断されるところがとても大切です。
最初の打ち合わせのとき、参考資料として「あなたにおやすみ」を中村金太氏にお聴かせしたところ、1コーラス目が終わるやいなや、ラストシーンの曲はこの曲で決まり!と何の迷いもなく仰るので、私の方がびっくりしたほどです。
ラストシーンでは、主演のモト冬樹さんと山本陽子さんがそれはそれは素敵なダンスを踊られます。
老人の姿に逆戻りした主人公と、何年も前に天国に旅立った妻の、すべてを許し合った静かで穏やかな大人のダンス。
お二人のダンスがゆるやかに続く中、お芝居は幕を閉じます。
そこに流れる音楽はどういうものがいいのか、もちろん選択肢は無数にありますが、中村金太氏の仰ることが私はまったくピンと来ませんでした。
なぜならその曲は本来アニメ番組用に書いた歌ですから、番組の対象年齢を鑑みて、歌詞も歌も少々子どもっぽいアプローチだったのです。
ラストシーンには大人っぽいしっとりした音楽をとみなさんお考えだったと思いますが、そんな逆風の中、演出家の中村金太氏がただ一人「ラストはこの曲でいく!」との方針を頑として変えられませんでした。
舞台監督も、役者さんたちも、半信半疑のままお稽古が進みました。
ところが、最初の通し稽古で問題のラストシーンに辿り着いたとき、曲が流れ始めると私はポロポロと涙が出てきて困るほどの感動度
山本陽子さんも演じながら涙を浮かべておられ、更に感動。
十代の少女を一人称に据えた幼く無垢な歌詞が違和感なく情景にマッチし、しかもこうまで効果的だとは関係者の誰もが予想していませんでした。
異質とも思える組み合わせが驚くほど上手くはまる、そのことを軽々と見越してしまえる演出家の千里眼に、私も、その場に居合わせたみなさんも恐れ入るのみ、の瞬間でした。




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