Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

20年前ざます

darienonikki2006-04-16

ピナ・バウシュを観た。
正確には、ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踏団。
ほとんどのダンス好きは、この舞踏団の長々しい正式名称ではなく、簡潔に「ピナを観た」とか言うことが多いが、通常の公演ではピナ本人はカーテンコールにしか現れない。でも今日は違う。「カフェ・ミュラー」でピナ自身が踊った。
今日、20年ぶりに生身のピナのダンスを観た。


初来日の20年前と同じ演目、同じ劇場。
20年前、私はこの劇場の2階席の隅っこでお友達から借りた双眼鏡を身じろぎもせずに覗き込んでいたのだな、と思うだけでしみじみと感慨深い。
しかも1986年のその日は、今年目出たく結成30周年を迎えた家人のバンドの録音を手伝った日でもあった。昼間コーラスを入れ、途中ピナを観に行って、またスタジオに戻って深夜まで録音。 「かーわーのーむーこーおーにーいーまー」とか「マニアだからー」とか、まだうら若き私が数人の初対面の女子達とマイクに向かい、懸命に歌っていたのだな。懐かしすぎて涙ちょちょぎれるざます。
そして20年前のその日は雨が降っていた。今日も雨。
ここ数年は毎年ピナを観に行ってるけど、そんなわけで今日は例年よりもなんだか特別な気持ちだった。
「カフェ・ミュラー」と「春の祭典」@国立劇場


カフェ・ミュラーを観ている最中、意識がちょっと別階層に移行した感じになって、なんとも形容しがたい状態で観ていた。照明がぎりぎりまで暗くなる場面があって、まばたきすると、闇の中で雪のような灰のようなものがものすごくゆっくり降っているかのように見えたんだけど、これは具体的な視覚とは違うのだなとぼんやり思いながら見てた。今見ているものと私の頭の中のものが渾然一体となっているのだなぁ、、、とぼんやり認識していた。
最後に照明がバッと消えて真っ暗になった瞬間、一気にコチラ側に引き戻された。


今日のワタシ、今のワタシ、、、で出会うべくして出会った、今日のピナ・バウシュ
なのよね。おもちろい。


画像は20年前の公演のパンフレット。