音楽を担当したお芝居「眠レ、巴里」の公演は、無事終了いたしました。
お越しくださった方々、ありがとうございました。
満席の回もあり。
ようやく演劇を楽しむムードが世の中に戻ってきたのでしょうか。嬉しい限りです。
この戯曲は、1985年の板橋の都営住宅での若きご姉妹の餓死事件をもとに書かれた、とのこと。
「メガロポリス犯罪地図」
その記述に触発された戯曲家の竹内銃一郎さんが書かれたものが、「眠レ、巴里」です。
ともすれば非常に重たい内容のお芝居ですが、終幕に向けて希望や光のある演出となっており、音楽担当者としては心底ホッとしておりました。^^
新緑の季節、ご覧くださったお客様には、軽やかな気持ちで劇場をあとにしていただきたいですよね。
公演では毎回会場のピアノで生演奏させていただきましたが、とてもやわらかな音色のピアノ!
気持ちよく弾かせていただきました。
今回曲を作るにあたり、少しずつ、少しずつ、幽かなメッセージを聴きとるように、インスピレーションを形にしました。
あえかなる声、とでも形容できるものですが、あ、今これ聴こえた・・と思えるフレーズをササッと五線紙に書きとめ、繰り返し繰り返し弾いて、自分で味わい、あえて一度にたくさん書き進めず、という方法をとりました。
私自身との対話をゆっくりと楽しむように。
お芝居の音楽作りはとても興味深い作業。
音楽家の行為の質としては、どちらかといえば「静」のエリアでの行為です。
そして、存分に「静」を味わったあとは、ただいまぐっとゲージを振り切った「動」のエリアのことが進行中。
今年の後半は私にとってなかなかアクティブなものになりそうです。
詳細はまたお知らせいたしますね。