Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

『ダリエ百葉窓』楽曲解説。11・20曲目。

darienonikki2015-01-09

まったく曲順通りというわけにはいかなくなってまいりました。
今回は、11曲目と20曲目の解説文です。




11.「哀章」
20.「YOROBOSHI」

「哀章」作詞:室生犀星 作編曲・歌:Darie
「YOROBOSHI」作編曲:Darie
2曲とも、演劇ユニット・LABO!の公演『ソライロノハナ第二集』における『弱法師』のための音楽です。
脚本は三島由紀夫。演出は堀内仁氏。
初演は2001年10月11日。
同じく三島由紀夫作『卒塔婆小町』とのオムニバス形式で上演されました。


私がLABO!で初めて音楽を担当させていただいた公演です。
『弱法師』は三島由紀夫の近代能楽集に収められている戯曲。
中高と演劇部に所属し、浪人時代に関西芸術座のテストを受けて入所していた私は、世間的に大きく括れば演劇少女であったことになりますが、そうした人種が一度は手に取り読んでいるとされる戯曲集です。
例に漏れず私も高校生時代に大変に面白く読みました。
しかしながら演劇少女としての貌は当時の私のごく一側面にすぎず、高校生のときからセミプロのスタジオミュージシャン業を開始していた私の一日は、一人の人間がこなすことができる心身の稼働率を完全に無視した無茶苦茶なものでした。
関西芸術座の研究生でありながら、予備校の私立文系クラスに通う浪人生であると同時に、日常的にアレンジや演奏をし譜面を書く、という一見矛盾した生活。
加えて浪人の夏には誰から言われたわけでもないのに、翌年は武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科というところを受験せねばならなくなります。それまでただの一枚もデッサンを描いたことがないというのに!
・・・説明が難しいのですが、朝起きると脳内がそういうことになっていたのでした。
想像するに、人生の一大事を左右する 重要案件についておそらくある期間をもって夢の中で熟考された末に、その日の起床前、潜在意識下にある私がいよいよ満を持して決定したのでしょう。
昼日中の顕在意識下での私がそれに抗えるはずもありません。
思えば、よくよく考えて分析して迷った末に何かを選択する、ということは、これまでの私の人生でほとんどありませんでした。
いつも朝起きるとすべては決まっています。(笑)
さっそく美大受験のための予備校にも通い始めましたが、いよいよもって時間もカラダも足りなくなり、半年間お世話になった関西芸術座は退所させていただきました。
幸いにも翌年、夢のお告げ通りの学科に合格。
それから長い間、私の生活の中に演劇が深く入り込むことはありませんでしたが、ふとしたご縁でLABO!のお芝居に携わらせていただくことなります。
その記念すべき一作目が、この「弱法師」でした。
主役の俊徳を演じたのは、LABO!と私をつないでくれた真胡珠央氏。


「弱法師」は謡曲の弱法師をもとに三島由紀夫によって1960年、近代劇に翻案されたものです。
空襲の戦火のもと両親とはぐれ、火で目を焼かれ失明した俊徳。
実の両親と育ての両親が俊徳の親権を争う家庭裁判所、その一室が舞台です。
夕日、地獄、日想観、無垢、憎しみ、愛、炎。
静謐にして無数のイメージを孕んだ戯曲です。
これまでにたくさんの演出家や舞台人がこのお芝居に取り組んできました。



アルバムに収録されている11曲目の「弱法師」は、俊徳が初めて舞台上に登場するときの音楽です。
演出の堀内氏からは幾つかのイメージの提示とともに、室生犀星の詩が送られてきました。
すばらしい詩です。
その詩に曲をつけ、ブルガリアンボイスのような声で歌っています。
盲目の美青年・俊徳の登場シーンは神々しいエネルギーに満ちていました。
日本語の響きは生々しく現実的であるという理由から、日本語として耳に残る歌にはあえてせず、言葉のエネルギーを宿しながらもどこの国の言葉にも聞こえない仕上がりにしています。


20曲目の「YOROBOSHI」は、お芝居の最後に流れる音楽として作りました。
どのお芝居もそうですが、劇中の最後に流れる音楽が観客の心にもっとも鮮やかに残ります。
クライマックスではない場合でも、芝居が終わって役者が退場するときの音楽とか、幕を閉じるときに流れる音楽は、とても大切。
可能な限り抽象性を保ったまま、お芝居の余韻を細く長く感じてもらえるような音楽、という個人的な目標を掲げて作りました。





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平成27年1月17日(土)14時開場 14時半開演
於:北とぴあ つつじホール(東京都北区王子1-11-1)
全席自由2,000円
チケットのご予約は平安楽舎事務局(tel: 045-542-0702)にて承ります。