Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

『ダリエ百葉窓』楽曲解説。9・10曲目。

darienonikki2015-01-08

9.「イノチノツブヤキ」
10.「君ノ手ノ中ニ」


作編曲:Darie
この2曲は演劇作品『あるジーサンに線香を』の劇中音楽として作りました。
アルジャーノンに花束を」へのオマージュ(笑)ということであるらしい、「あるジーサンに線香を」。
東野圭吾さんの同名の短編小説を福田卓郎氏が脚本化され、中村金太氏の演出で2012年〜2013年にかけて三越劇場中日劇場、銀座博品館、京都春秋座、などで上演されました。
主演はモト冬樹さんと山本陽子さん。
脇を固めるレギュラー陣には、おりも政夫さんに愛華みれさん。
他にもたくさんの役者さんが出演されました。
2011年4月に初演の幕が開く予定でしたが、震災で一度は公演中止に。
翌年2012年の4月20日、無事に幕を開けることができました。
上演時間が比較的長いお芝居でしたし、再演時には作り直したり、追加で新たに書き足したり・・・最終的には、のべ50トラックほど作ったでしょうか。
このお芝居について、初日の半月ほど前のブログに記していますので、ご覧いただければと思います。
http://d.hatena.ne.jp/darienonikki/20120404


東野圭吾さんの小説としては珍しいコメディータッチです。
主人公は、妻に先立たれた老人。若返り手術の実験台になり、20歳まで若返ってしまいます。幽霊となってあの世からたびたびやって来ては夫を支える妻。若返った主人公を中心に繰り広げられる様々な人間模様。ロマンスあり、涙あり、笑いあり。
私など、お稽古を拝見しながらポロポロと泣いてしまうことも。
LABO!で音楽を作らせていただくときもそうなのですが、私は稽古場にお邪魔すると、とにかくお稽古の様子をジーーーーーーッと見ているので、役者さんたちから珍しがられるのです。
しかしとにかく見なければ何もわからないし、音楽がつかない場面にだって音楽作りのヒントが隠れている場合もあるのですから、まずは見る。
何度拝見してもまったく飽きることのない、本当に面白いお芝居でした。
演出の中村金太氏は奇しくも大学の大先輩、しかも私と誕生日が同じ。
中村金太氏だけでなく、このお芝居に関係されている方とは、偶然やシンクロに満ち満ちたご縁でつながっていました。
地球はこんなにも広いのに、出会うべき人々とはちゃんと出会うことになっているんだなあと不思議な気持ちになったお仕事です。


10曲目の「イノチノツブヤキ」は、このお芝居のテーマ曲です。
開幕と同時にゆるやかに流れ、その後も楽器や雰囲気を変えて、劇中に何度も登場します。
カーテンコール用にゴージャス版も作りました。
今回アルバムに収録したバージョンは、私が一番好きだった、最も静かなバージョン。


11曲目の「君ノ手ノ中ニ」は、井上千春という登場人物のテーマ曲として作った曲です。
主要な登場人物にそれぞれテーマ曲を作って欲しいという演出家さんからのリクエストがあったのです。
なのでこの曲は長らく「千春のテーマ」というタイトルでしたが、今回のアルバム収録を機に、やっとタイトルらしいタイトルがつきました。
千春は、歌手を目指しながら病院の売店でアルバイトをしている可憐な女の子。
主人公である若返った老人と親密な関係になります。
楽曲に求められるイメージは「清純」「純粋」でしたが、私はそこに、行く末に必ず待っているであろう幽かな別離のニュアンスを織り込みました。


↓次回解説はコチラ
『ダリエ百葉窓』楽曲解説。11・20曲目。 - Darieの超~お気楽日記






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