2月12日、十六夜の日に、福岡市の松楠居さんで開かれたアートイベント「八女の大名茶会」。
十六夜の月が東の地平線からゆっくりとのぼっていく頃、八女のお茶をモチーフに作曲家の藤枝守さんが新たに作曲された「茶の植物文様」が演奏され、その美しい響きの中で舞をさせていただきました。
楽器構成は、箏、笙、ガムラン。
舞手である私は、会場脇の長い縁側を舞いながら渡り、やがて舞台に登場し、最後には龍笛を奏でながら舞台から去っていく、という段取りを藤枝さんから提示されました。
出演者全員での合わせは公演当日しか叶わず、おそらく出演されたみなさんはそれぞれの中でイメージを膨らませてこの日に為すべきことをじっくりとあたためておられたと思います。
私は私で、一人お稽古する中、イメージが浮かび上がり血肉化していく過程で様々な想いが去来しましたが、今回はこのことを舞おうと揺るぎなく思った瞬間がやってきました。その想いとは「母への感謝」です。
植物の波動が転写された美しい楽曲を聴き進むうち、「生命の循環」や「生まれてきたことへの感謝」という部分に思考がシフトするのはごく自然なことでした。
縁側の端から登場して渡りきる、という行為は、おかあさんのお腹から産道をくぐりぬける、ということ。
ごく個人的な物語が私の中でどんどん構築され、たくさんのキーワードが生まれました。今回私はその想いやキーワードを身体化しただけです。
縁側(産道)を経て、この世での時間を生きるという行為が舞台での舞になり、月へのチケットである笛を得て、十六夜の晩に月の世界に帰ってゆく、というストーリー。
まさか私がこんな勝手なことを考えていたとは、まわりの方は誰一人知りません。
無事に公演が終了した翌々日、今回の公演出演でお声をかけてくださった藤枝さんにお礼のメールをお送りした際に、このストーリー展開をお伝えしましたら、驚愕されてしまいました。(笑)
縁側が産道になるとは!!!という驚きだったのでしょうが、御簾越しに縁側をゆっくりと渡る私の舞に、お客様はこの世でもあの世でもない、ちょうど中間にいるような印象を持たれたのではないかと想像しています。
奇しくも、私の龍笛には「十六夜」という名前がついておりました。
ですので、この世での生活の終わりを知ったとき、扇を収め、十六夜の月の出を待って笛を手にし、ゆっくりと吹きながら退場、つまり月に帰っていったのです。
写真は公演後の集合写真。
藤枝守さんの植物文様につきましてはご本人のサイトに記述があります。
http://www.fujiedamamoru.com/htm/concertinfo_prants.html
2月12日の出演者は、 徳淵卓さん(茶人) 中川佳代子さん(箏)
渡辺融さん(笙) ガムラン倶楽部「ルー」さん 濵田理恵(舞)。
同日には砂原悟さんによるクラヴィコードの植物文様の演奏もありました。
ご縁があって、貴重な学びをさせていただいたことに、深く感謝いたします。
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全21曲。
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