三渓園に行ってきた。
園内の施設で、龍笛の師匠と楽箏の師匠が揃って演奏をすることになっていたので、見学＆応援である。ついでに桜見も。
演奏は、薫物とのコラボレーション。
一番前で拝聴していた私は、香りと雅楽の音世界の織りなす非日常的空間に全身浸りきって、すっかり気持ちよくなってしまった。
余震や原発問題は依然として予断を許さず、何人かの友人は海外に避難しているような状況下、心からリラックスすることが難しい毎日だけれど、仄暗いお堂の中、雅楽の音色に身体の内側から照らされて、しみじみと癒された。演奏会が終了したときには脳内がひときわ明るく感じられたほど。
磨き抜かれた精神や芸を目の当たりにすることでこんなにも心の埃や塵が落ちてすがすがしくなれるものか。
スペシャリストは、世の中を救うために存在している。そのために稀有な才能を神様からいただいているのだ。
音楽家の近田春夫さんが、被災地のみなさんを励ましにお相撲さん達が巡業を行うとすばらしいのではないか、とご自身のブログで提案されていたけれど、今回のことが地震と津波の被害だけであったなら私も心から賛成。
原発の心配さえなければ、よりたくさんの芸術家が被災地を訪れての表現活動が可能になるのに。
