Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

他力

特定の数字が、まとわりついてくることがある。
以前、友人が出演する芝居を富山県利賀村まではるばる観にいったことがあった。
その芝居は利賀村演出家コンクールへの出品作品であったのだ。
得体の知れない衝動にひっぱられるようにして、飛行機とレンタカーを乗り継いで演劇の聖地を訪れたのは、2001年の夏。
そのとき、不思議な符合が私のまわりをウロウロしていたのだ。
開催場所となった利賀山房は、利賀村百瀬川の近く。
上演された演目は、百夜通いがモチーフとなっている三島由紀夫の「卒塔婆小町」。
そのとき読んでいた本は、学生時代に読んで大感動して以来あえて封印していたのに何故か再読せざるを得なかった「百年の孤独」。
百、という数字がどこに行っても目に飛び込んできた。
気味が悪かったが、同時に、この「導かれている」感覚はとても心地良いものだった。
つまり、なんの理由もなく、説明しようにも説明のつかない他力のようなものに自分が動かされているのだから、むしろ「どこにも間違ったところが無い」というある種の安心感があったのだ。


それが縁となったのか、その年の秋には、彼等のお芝居に音楽を提供することになった。
以後、拙いながら、演劇の音楽の在り方を彼等とともに模索している。舞台上で芝居の一部となって演奏することもある。
かなり前、私はある劇団の研究生だったことがあるわけだが、それが様々な回り道をへて、こういう形で演劇に携わることになるとは、本当に思ってもみなかった。


数字に限らず、特定のモチーフが身辺をウロウロしだすと、覚悟を決めて、他力に身をまかせることにしている。
すべては他力が私の知らないうちに、勝手に丸くおさめておいてくれるはずなのだ。
と、面倒なことを面倒がる気持ちを捨てて、まずは楽観視してみるのであった。。
当たり前のことだけど、身も心も、楽ぅ〜が一番ざます。