数日前の歌舞伎座で手拭いをいただいた。
「京鹿子娘道成寺」では、白拍子花子を演じる役者さんの屋号が入った手拭いが舞台から客席にぽんぽん投げ込まれるお約束なのだ。
この日の白拍子花子役は中村勘三郎丈。
よって中村屋さんの手拭いが飛んできた。
この手拭いをゲットすると縁起がよろしいとのことで、どのお客さんも無邪気に手をのばす。衣装替えのための時間稼ぎとファンサービスをかねた楽しい趣向だ。
投げやすいように折り畳まれて結ばれた手拭いが、勘三郎さんや所化（修行中のお坊さん）に扮した役者さんのふところから客席のあちこちに投げ込まれるのだが、そのうちの一つが、眼前にニョキニョキのびるお客さんたちの腕の間をすりぬけて、私の両手の平の中にまさにジャストミートであった。
構えたところにストンと吸い込まれるように、その手拭いはやってきた。
待ってるだけでやってくる幸運というものもあるのね〜。
そんな一年になりますように♪
