Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

酔いたおした

私が住んでいる国立は、東京の桜の名所のひとつ。
この時期、国立駅から南にまっすぐのびる滑走路みたいな長い長い直線道路の両脇に、たわわな桜がド派手に咲き揃う。
笑っちゃうぐらいに大量に咲くもんだから、毎年この景色を眺めるたびに私の心の中には、ただ「美しい」とか「すばらしい」とかの形容とは違う、別の感動がわきあがってくるのだ。
揃いも揃って、なんでこんなに咲くのだろう。
どの桜も「ふふん、ふふん、うふふふふふ〜」て感じで満々と咲いている。
お花見シートの上に座り、じっと桜たちの気配に集中していると、この「ふふん、ふふん、うふふふふふ〜」がサラウンドで無数に押し寄せてきてまじめに狂うかと思う。この「狂い」が、この国の人たちにはとても重要なのですね。
おとなしく、感情をあらわにせず、その奥ゆかしさは時として海の向こうの方々から謎の国民性と評されるけれど、それもこれも年に一度のこの「狂い」があってこそ。
見た目変わらぬまま脳内ノリノリの不思議にねじれた身体性。一見凡庸なれどその実素敵にアバンギャルドな人材のなんと豊富なことよ。
この季節に爆発的に咲き乱れる桜は、確実に私たちの内なる起伏やねじれやダイナミクスを支えている。
だから花見だけは、何はなくともしておかなくてはならない。
このところ健康のために毎晩1時間ほどウォーキングをしているので、わが町の夜桜はもうお腹いっぱいになるほど堪能している。
なので昨日は東へ東へと移動し、杉並のとある公園にて盛大なお花見の輪にお邪魔させていただいた。
曇天、寒さ、ちょい小雨、ではあったけれど、とにかく人が集まって桜を見上げればそれだけで楽しい花見の儀。
わけあって私はノンアルコールでしたが、それでもふんだんに降り注ぐ桜エキスに酔うこと数時間。
これこれ、これざます。この「酔い」の洗礼を受けずして、この季節、身も心も無事に過ごそうなど無理な相談だ。
桜に酔ったあとは、また更に東へ移動し、ダージリン、マスカテルバレーの芳香に酔う。
桜に紅茶に、散々酔いたおしたそのあとには、世にも興味深いお話を拝聴することになった。
生きているといろいろある。
これからの人生の方が、むしろ長く重要なのだ、と酔った頭でしっかり思った次第。