家のポストに、新しく建つマンションのチラシや売りに出てる不動産のビラなどが入ってくることがある。
まったく興味が無いので読むこともなく捨ててしまうが、今朝ポストにあった郵便物をチェックしていたら、一緒に入っていたマンションのチラシに目がとまった。
いくつかの部屋タイプの見取り図があり、そのうちの一つが変わった形をしていたのだ。
一日一杯までと決めている珈琲を大切に大切に飲みながらよくよく見てみると、その部屋はいわゆる3LDKの間取りだが「オープンエアスペース」と称されるテラスが専有面積の半分近くを占める物件であった。
テラスには屋根はあるが、窓はない。
参考写真を見るに、ウッドデッキ調の床材が敷き詰められ、手すりの向こうは完全な「外」。
オープンエアスペースに面しているリビングや洋間のガラス扉を閉めれば、そこはただ雨や風にさらされる「外」である。
つまり、この物件の半分は「外」なのだ。
「庭」と解釈するとわかりやすいのだろうか。
一般的な3LDKの居住空間と同じくらいの広さのテラス、というと、一般家庭のテラスとしてはかなりの広さになる。
この広さであれば、たしかにマンションでありながら自分の家のテラスで大人数でのバーベキューが可能だ。
犬小屋を置いたり、盆栽を楽しんだり、家族に遠慮することなくゴルフの素振りをしたり、パンツ一丁で乾布摩擦を励行したりするのにも向いているかもしれない。
それにしてもこの物件の一番の売りが、プライベートな「外」であることに、ちょっと驚いた。
今時はこういうのが流行ってるのかしら。
プライベートな「外」から眺める「そと」、は、どんな景色だろう。
自分だけの「ソト」から見える「セカイ」は、どんな「外」だろう。
よく存じあげている演出家さんのブログを読むと、ちょっと似たことが書かれていた。
マンションの一室から「トシ」や「セカイ」や「ウチュウ」を見渡す少女と少年の語らいから始まる、とある戯曲のこと。