先のすぼまった、身持ちのかたそうな、まだまだ咲ききらぬ17本のチューリップであった。
しかし、あたたかいリビングのテーブル上に一晩置いただけで、もはや満開。
花瓶の水をどんどん吸い上げて、たっぷり開いた身体いっぱいに空気中へと水分を放出している。
花のすぐ近くで本を読んでいると、どういうわけだか眠くなる。
何かを花からもらっていると同時に、別の何かを搾取されているのかもしれない。
夜の森を歩いていると何かを吸い取られているような気分になるけれど、それに似ている。
本日はこれからひっそりと酒宴。
花にやられて眠くなった日は、くれぐれも注意しながら飲酒せねば。。