夏の朝のお庭。
地上6階より撮影。
実はこの写真のフレーム外の更に下方には、小さな人工の池がある。
その池に、体長1mはあろう巨大な黄金色の鯉がいた。
なんという巨大さだろう。あんな大きな鯉は見た事がない。
びっくりして急いで池のほとりまで行ってみた。
問題の鯉はのらりのらりと泳いでいたが、どう見ても私たちを心底驚かせるほどの巨大鯉ではない。
日本庭園の人工池などではよく見るサイズの、なんてことない、凡庸に大きな鯉である。
なーんだ見間違いだったのか、とんだ骨折り損であったな、と再び上方から眺めてみると、これがやはり目が釘付けになるほどの巨大鯉。
だって、ほんのついさっき、私はその池の水際に立っていたのだから、池の大きさもそばのベンチもしっかり頭に入っている。目を皿のようにしてまわりの比較対象物や池のキャパともさんざん照らし合わせてみたが、明らかに大きい。巨大鯉だ。
遠くで見る方が、そばで見るより俄然大きく見えるのは、これいかに。
不思議だ〜。不思議ざます〜。
つい先日、椿山荘のイベント会場で絵本作家の木村裕一さんと「のぶみさん」の対談を楽しく聞かせていただいていたら、そのまま名前呼ばれて私も舞台にあがることになり、お客さんにごあいさつする運びとなりまちた、なんてことがあった。
その対談の中で「成功するものと成功しないものとの違いは、ほんのちょっとの違い。でも大変な違い。」みたいな内容のことについてお二人が語らいあっておられ大変に興味深かったのだけれど、そのことを瞬時に思い出した。
遠くで見るほどに大きく見える鯉。
考えれば考えるほどヘンなもん見た。
絶対に夢に出てくるな、あの夏の鯉。
