Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

凪ぐ

「見知らぬ女の手紙」というステファン・ツヴァイクの短編小説のモノローグドラマをPARCO劇場で見た。
演出は行定勲さん。舞台上には、中嶋朋子さんと西島千博さんの、たったお二人。
80分強の上演時間、ほぼ中嶋朋子さんの一人芝居。西島千博さんのしなやかなムービングが時折絡む。
とても面白く、おそろしく、同時に不思議に心地よい隙間に彩られた時間だった。
上演後のアフタートークで行定氏から語られたことだが、なんとリハーサルは3日間のみというから驚きだ。
更に時間があれば演出家はこの舞台をもっともっと作り込むことが出来たかもしれないけれど、観ているときに感じた不思議な「隙間感」は、そういうことなのか、と。
お芝居の内容よりも、そのことが今の私には興味深かった。
観客を信じる、役者を信じる、他人を信じる、みたいなこと。
そういうことを考えると、とても心が凪ぐ。凪いだ心でピアノを弾く。譜面を書く。