Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

海の屍骸

darienonikki2008-04-07

「海」の生命の残骸が、少しずつ、少しずつ、打ち寄せられ、膨大に集まったものが、浜辺。
そんな海の屍骸の山から、ひとつを選びとって、何年もコートのポケットに入れておいたことがある。
地下鉄を待っているときとか、何気なくポケットを探ると、指にコロッと触れた。
ベビーボーロのような形の軽石だった。拾ったのは冬、それも日本の北も北。とても寒かったので、厚い皮のコートを着ていたのだ。
そのコートは一冬の間に何度も着ることもあるし、まったく登場しないこともある。
暖冬のせいか、今年の冬も、去年も一昨年も、結局一度も袖を通さなかった。
なので、今でもそのコートの右ポケットに、あの冬のあの海のあの残骸が入っているかどうかは不明だけれど、捨てた記憶は無いから、私の持ち物のいずれかのポケットの中で静かに微睡んでいるのだろう。


10日から始まるお芝居は、海の物語。
海、海、いのち、海、死、海、海、なんてことずっと考えてたら、こんなお箸置きと出会った。