Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

『ダリエ百葉窓』楽曲解説。5曲目「まどろみのセーザ」

darienonikki2015-01-04

5.「まどろみのセーザ」


作編曲:Darie
演劇ユニット・LABO!の公演『Pの航海〜ペリクリーズより〜』のために作った曲です。
初演は2004年3月18日。
原作はシェイクスピア
演出家の堀内仁さんによる新訳版での上演。


劇中の登場人物・セーザは、主人公ペリクリーズの妻。波乱万丈の生涯を生きるペリクリーズと結婚したペンタポリス(リビア)の王女さまです。
出産時に船上で一度は命を落としますが、棺に入れられ流れ着いた地で奇跡的に蘇生し、のちに伴侶であるペリクリーズと再会します。
ハッピーエンド、ロマンス、出産、旅人、王国、海賊、そして海。
お芝居の向こう側には、いつも海がある。波の音がかすかに聴こえてくる、そんなお芝居でした。


私とLABO!との共同作業が始まったのが、2001年。
この公演はそれから数年後。
その間、私はいろんな形態の演劇公演を経験させていただきました。
毎回楽しく、しかしそれはただ楽しいだけではなくて、ときとして困難でありながらも興味深く、ときには個人的にかなり険しい内的冒険をしながら、音楽作業を進めていきました。
役者さんたちが、ジリ、ジリ、と一歩一歩お稽古を積み重ねていく様子を拝見しながら、私もともに一歩一歩、でありました。
そして、LABO!の演出家・堀内仁さんとの作業において、「海」というものを意識し「海」の存在を感じることが、実はとても大切なのだと、この公演のあたりから強く感じるようになります。
「Pの航海」は、海にまつわる物語です。
最初の打ち合わせでは、堀内さんが毎年船で沖縄に旅に出られること、その旅でのお話を伺いながら、人間にとっての海、海が内包しているドラマについて思いをはせます。
私の中にある海、私の中にある宇宙。
世界が私を取り囲んでいると同時に私の中にその世界すべてが存在している感覚。
この感覚は、まさに瞑想そのものです。


当曲「まどろみのセーザ」は瞑想的な音楽。
劇中にセーザを中心とする舞踊シーンがあり、セリフが無かったので大音量で流していただきました。
振り付けは、ク・ナウカの役者さんでもある舞踊家中村優子さん。
中村優子さんが役者のみなさんに振り付けるお稽古のときにハンディカムを持参し、録画したものを自宅でまじまじと見ながらの音楽作業。ちょっと巻き戻してはシンセ弾き弾き。機材カチャカチャ。シールド挿し挿し。
実際の音楽作業はハタから見れば瞑想とは程遠いものですが、作業時の音楽家の皮膚一枚の内側は、人知れず凄まじいトリップ状態です。(笑)
南国の島々を訪れた旅の記憶などを手繰り寄せながら。
内と外、空と海、自分と他者、が溶融する一瞬を幾たびも味わいながら。
至福の作業でした。


↓次回解説はコチラ
『ダリエ百葉窓』楽曲解説。6曲目「Darie-gardenのテーマ」 - Darieの超~お気楽日記





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