水上バスに乗った。
その日の日本は全国的に休日で、関東地方は秋風さわやかなる晴天。
あてどなく豊洲のショップモールをうろつき、思いつきで水上バスに乗ってみた。
乗ったら乗ったで目的の行き先が変更になり、せっかくの秋晴れの休日なのだからと、結局その日、3回も乗船することになった。
ずいぶんと長い時間を船の上で過ごすうち、日も暮れて、お腹がすいて、いいかげん観念して陸にあがり、とぼとぼと街を歩き、結局最初に食べようと思っていたものとぜんぜん違うものを食べることになった。
ぜんぜん違うものだけれど、あらかじめ準備された感動の種に縛られることのない、予想もしなかったよろこびがそこにはあって、変更だらけのシアワセな一日もよいものだと、とかく予定をぎゅうぎゅうに突っ込みたがる私には、よい学びであった。
