桜がそろそろ咲いている。
大々的なお花見は自粛するにしても、この季節に桜の毒に身体の芯からしびれ、憂さを忘れることは、何にもかえがたい癒しと救いになると思う。
実家のある大阪から、ようやく東京郊外の我が家に戻ってきた。
お稽古ごとも半月ぶりに再開。
昨日さっそく三味線のお稽古があり、近所に暮らす友人女性達とひさしぶりに顔を合わせたが、まず話題にのぼるのは、計画停電のこと。
私の住む街ではかなり頻繁に停電が実施されているようで、震災後早々と関西に移動していたために実は一度も停電を経験していなかった私は、まるで浦島太郎のような状態で友人達の話しを聞いた。
停電のスケジュールに合わせて日々を暮らすことの窮屈さもさることながら、エリア内での実施区域にムラがある、夜間の停電はとても物騒だ、などなど。
そして、想像してはいたが思った以上に住民達は不便を感じていること、実施の不公平さに憤りを抱いていること、小さな商店は仕事にならないこと、そうでなくてもギリギリの経営状態であるところに停電続きで潰れそうなお店もあること、などなど。
うーん、大変。
今回のことで私自身が強く感じたのは、西と東の、圧倒的な温度差だ。
他人の痛みは、経験してみないと、やはりわからない。
この帰省期間中、どんなに連日シビアな報道がなされようと関西の人々にとっては、被災地の惨状も首都圏の節電も、東京中心部を除く関東一円での日常的停電も、ある意味対岸の火事なんだなぁというくらいの感覚はあったが、いざこちらに戻ってくるとこれは本当になかなかシャレにならない状況で、その思いをますます強くした。
日本は狭いようでいて、とても広い。
地域によって、思考が違う。思考の組み立てが違う。価値基準や優先順位が違う。エスカレーターでの立ち位置が違う。
きっと今回の大混乱を機に、地域本来の特色が色濃くなっていくのかな、とぼんやり思ってみたり。
このところ(といっても15年ぐらい?)、全国一律おしなべていきましょう志向が強く感じられて、個人的には若干抵抗感があったけれど、これまでになかった新しい日本に今後はシフトしていくのかもしれないなぁ、できることならば地域それぞれがより良い方向に変化していって欲しいなぁ、と花粉のはげしくこびりついた愛車を洗っていただきながら思うなり。
さて、、、、
4月10日、Gastronomicsは栃木県のカフェで中川五郎さんとのジョイントライブを行うはずでしたが、残念ながら中止することにしました。
次回のライブは6月9日、吉祥寺マンダラ2です。
追って、詳細お知らせします。