昨夜、私の住んでいる町にある二つのライブハウスの共同企画で「国立・往来ライブ」という音楽イベントが開催された。
距離にして150メートルほどを隔てた「奏」と「福助」という二つのお店をお客も演奏者も行ったり来たりしながら、4時間ほどのライブイベントを楽しむというもの。
両店ゆかりのミュージシャン達がさまざまな組み合わせでセッションを行う。
それぞれのお店でライブは同時進行するが、タイムスケジュールはあらかじめ決められていて、こっちが終わればぞろぞろと移動、あっちが終わればまたドリンク片手にぞろぞろと、という具合に、往来しつつのライブ観戦。
お腹のすいた人は移動途中にラーメン屋さんに立ち寄ったりして、かなり自由度が高い。
よく存じ上げているミュージシャンも出演しているし、なにより、歩いて行ったり来たりするということが思いのほか楽しい。
ライブハウスの暗闇の中にわずかな隙間を見つけてもぐりこみ、一人、ひたすら音楽を浴びていると、自分はよく知る自分以外の誰かとなり、この場所がどこでもないどこかとなる、そんな不思議な感覚に包まれる。
音楽的な愉悦とは違う、得難い感覚だ。
旅先の町の人ごみの中をゆらゆら歩いているような、そんな感覚。
無駄なものは頭の中から洗い流され、心身にまとわりついた微細なゴミはふるい落とされ、すっきり。
往来、オーライ。よろしかね〜。
