Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

精霊のすみか

darienonikki2010-01-22

公開中の映画「アバター」を見た。
映像面での技術はここまですごいことになっているのか!という驚き。
これでもか、これでもかと刺激を与えられ、狭量な私のお脳は途中から乗り物酔い状態になりそうだったけど、手に汗にぎったり涙ぽろぽろこぼしてるうちに、162分があっと言う間。
まさにSFファンタジー
「いいもん」と「わるもん」の色分けがシンプル過ぎるのは少々気になったけれど、でも全編を通して、絆、いのち、共同体、ファミリー、などの記号で満ち満ちていて、そういうのは大変によいことだ。
同じSF映画でもブレードランナーはもちろんこれからも何度も見たいと思う映画だが、共同体や血族から切り離された存在に由来するどうしようもない寂寥感がこの映画の大きな魅力だと思うし、これからの時代、その手の寂寥感が幅をきかせる必要もあまりなくなってくる気がする。
とにかくですね、IMAXシターの臨場感あふれる映像にガンガンに体内を揺さぶられ、見終わったあとはまっすぐ歩けなかったほど。


更にふらふらとおぼつかない足取りで電車に乗り、大学時代の同級生である内藤礼さんの個展を見に行った。
内藤礼さんは私の3枚目のアルバムの宣伝用リーフレットに推薦文を書いてくれているのですが、ちょうどそのお願いをしたとき、彼女はニューヨークから日本に拠点を戻して直島の「家プロジェクト」にとりかかるところだった。
そんなことを思い出しながら展示会場を目指すうちに、アバターでふらふらにさせられた私の身体もだんだん本来の自分の中心を取り戻し、むしろ澄んだ気持ちで展示を拝見することができた。
彼女は昔からすごい作品を生み出している人だけれど、昨日拝見した展示もますますすごいことになっていて、とても嬉しくなった。
彼女の作品は一人で見たい。一人で見て、誰ともしゃべらず、いっぱいに満ちたグラスの水がこぼれ落ちないよう、しずかに自分の家に帰りたい。


ところで「アバター」にも、内藤礼さんの今回の展示にも、「精霊」が登場する。
エンターテイメントとアート。ときとして両者の間には厳然たる距離や境界や差異が存在するけれど、同じ日に触れることになったのは偶然のような必然、必然のような偶然、なのかな。
精霊のすみかを転々とした日、だった。