上野で開催されてるチベット展を見てきた。
チベット密教ってなーに？チベットってどんなとこ？ダライ・ラマってどんなヒト？
などなどを紐解いてくれる面白い展示だったが、展示もさることながら、見にきているお客さんを観察すると、これがなかなかに興味深かった。
まだ夕刻前にもかかわらず、あきらかにサラリーマン風の中年層が多い。
ガラスケースの中の「魔女仰臥図」や、すごい形相で睨み合いながら合体してる「父母仏立像」や、頭蓋骨でできた密教仏具「カパーラ」を真摯な瞳でじっと見つめる、背広＆コート姿にノートパソコンの入ったビジネスバッグを手に提げたお父さんたち。
うかがい知れない世界、無限の広がりを垣間見せる精神世界に畏怖の念を抱きながらも、何かを真剣に感じ取ろうとしているようで、そんなお父さんたちの姿にいろいろ思うところがあった。
単純に、こんなご時世ですから、というのでも、スピリチュアルブームだから、というのでもないように思える。
なんだろー。なんでしょー。
上野の黒い森の中、そんなことを考えながら、たった今見てきたたくさんの仏像や仏画や仏具が脳裏に現れては消え、現れては消えする様を楽しんだ。
