家から歩いて15分ぐらいの場所に、たまに行くお蕎麦屋さんがある。
お店の前を車で何度か通ったことがあり、気になっていたところへ近所の友人との会話で「美味しい」と話題にのぼり、その一年後、ようやく知人達と初訪問となった。たしかに美味しい。
それから、一人でたまに伺うようになった。
一人だったり、知人といっしょだったり、我が家にお越しになった仕事先の方をお連れしたり、そのときどきでこちらの顔ぶれは変わる。
そのたびに、他のテーブルのお客とご主人の会話から、ご主人の経歴などの新しい情報を知る。
黙々と蕎麦をいただきながら耳をダンボにして待ち構えていると、お約束のようにご主人と他のお客さんとのやりとりが始まるのだ。
お店のなりたち、蕎麦にまつわるタメになるお話し、このあたりの蕎麦打ち達人の情報、お野菜のお話し。
「へえぇぇぇ〜〜〜！」「そうだったんだあぁぁ〜〜〜！」「ソレこないだも聞いたざます〜〜〜！」などと無言でツッコミ入れながら、ぜんぜん聞いてないような顔するってのが楽しい。
誰かと向かい合って和やかに蕎麦をいただいていても、この解説が始まると、会話をさりげなく中断し、蕎麦をすする音も極力控えめに。
今日はひさびさにその楽しい解説つき蕎麦をいただいて心の中でツッコミまくってみようじゃないかと、起床時から心に決めている。
あたたかい冬の晴天。蕎麦日和。散歩日和。ツッコミ日和。
