今年は源氏物語が誕生して一千年を迎えるすごい節目の年だそうで、あちこちで縁のイベントが行われている。
先々月には、京都文化博物館で、永楽即全「源氏物語五十四帖」の展示を拝見した。
源氏物語すべてのチャプターにちなんだ永楽家十六代・即全さんによる作品が展示されていて、それはそれは見応えのあるものだったのだが、中でも「夕顔」と名付けられた絵水指がとても美しく、印象に残っていた。
水指の側面にたおやかに描かれた夕顔の花は、こんもりと厚みがある。独特の曲線を目で追うほどに作者の世界に少しずつ引き寄せられていくような、魅力的な作品だった。
昨晩、その絵水指に似た物体が、夢に出てきた。
具体的な存在ではなく、あくまでイメージとして夢に現れたので、最初はそれが何なのかよくわからなかったが、目覚めてから1時間後に「はた」と気づき、展示のときにいただいたパンフレットを引っぱり出してきた。
写真の「夕顔」を見て、確信した。
そう、この絵水指が夢に出てきたのだった。
夕顔は物語の中では薄幸な女性として登場するが、この絵水指はとても瑞々しく、どこか大きな生命力を感じさせる強さがあったのだ。展示を拝見したとき、そのことが意外だった。
でも、その意外性がむしろ私にとってこの作品をことさら印象深いものにしたのかもしれない。
生命力と瑞々しさをたたえた美しい物体。
そのイメージがいま、私の心の中をひたひたと満たしている。
こういう状態でオチゴトをすると、さぞ美しい音楽が作れるに違いない！
二ヶ月前、美しい絵水指との出会いがあったからこその、今日のシアワセ。
ありがたや。ありがたや。
次回ライブ情報は↓をご覧ください。11月22日、京都RAGにて。ぜひお越しやす。
http://www.darie.com/information/topics.cgi
