Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

ハイブリッド唱歌

本日は、とあるCMオチゴトで、「夢路より」という曲のアレンジ作業。
求められた方向性は二つあって、ひとつはオーセンティックな木管アンサンブル、もうひとつは静謐なテクノバージョン。
どこの国の言葉でもない言葉を例によって勝手に作って歌って、さきほどデモ作業は終了。
よほどの大問題でも発生しない限り、二つのうちのどちらかのタイプを近々きちんと録音して来月にはオンエアーとなるわけだが、それにしても「夢路より」って、いい曲だ。
この曲は中学生のときの音楽の教科書にのっていたし、コーラス曲としてよく知られている。
最近では替え歌になって某つけ毛のCMにも使われてたくらいの有名曲。
なのに、ちゃんと聴いてみたことがなかった。
このたび資料として過去に録音されたご本家版を聴いてみたらば、とても良い。
作曲者はフォスター。だからこの曲はバリバリのアメリカ生まれのはずなのに、清く正しい日本の香りがするのだ。
日本語の訳詞もなんだかすばらしい。へ〜〜、ほ〜〜〜、とか感心しながら、オチゴトが思ったよりも早く終わったもんだからすっかり寛いでお借りした資料のCDを聴いている。


このCDには他にも魅力的な曲がたくさん。「冬の星座」とか、「歌の翼に」とか、外国の曲に日本語の訳詞をのせた、いわば半分日本の唱歌になったようなハイブリッド唱歌が収録されている。
「冬の星座」の訳詞がほんとうにしみじみと良い。曲も良いけど、日本語の歌詞が良い。
スケール感があるのに、とても個人的な感じがする。
訳詞をされた方は堀内敬三さんという方だそうで、ちょっと調べてみると(インターネットって便利〜)この方は「浅田飴」のオーナーさんのご子息。
「遠き山に日は落ちて」など数々の名曲の訳詞をされるなど、え、この曲も?あの曲も?というご活躍ぶり。
なんと、「蒲田行進曲」や「ラジオ体操の歌」一連の作詞もなさっている。
第一高等学校(というから現東大ですか)の応援歌や、某企業の社歌、某球団歌の作曲までされていて、すごい方だったのね〜。
今の今までまったく存じ上げずに失礼いたしました、という感じざます。


ちなみに、ここまで調べる発端となった「夢路より」の大変に麗しい訳詞をされた方はまったく別の方で、津川主一さん。フォスター曲の訳詞や、賛美歌の日本語訳を多く手がけておられた。
う〜ん。お勉強になったのであーる!