Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

強き不滅のオンナノコ

日本女性の、年齢に対する意識は、とても特殊だと思う。
きちんと成人するまでを自国で育った外国人から見ると、この国の女性達は、人生に対する考え方のタガが外れているのではないかと、驚異に感じるのではないだろうか。
40歳をすぎてマダムと言われる年齢になっても、あいかわらず「カワイイモノ」好きで、たいした努力をせずとも体重が変化せず時間がとまったように容姿を維持し、しかしながらオツムの中では日々経験値があがっているもんだから、ひとたび口を開けば時事問題や噂の異次元問題を前にしてもそれなりの考察や意見が出てくる。
まるでドスの利いた小学生みたいなミドルエイジの女性達がまわりにうじゃうじゃいる。
こんな突然変異のミュータントもどきがそこいらじゅうを闊歩しているなんて、冷静に考えてみれば、かなりおもちろい国だ。
逆に私より一まわり以上も若い外国の方が、それこそ一昔前の日本男児が説いていた「誰が決めたのか知らないけど現実的でも実用的でもない変なジョーシキ」をご丁寧に正しいと信じ込んでいる、なんてことも少なくなくて、そんな場面に出くわすと思わず吹き出しそうになる。
この場合、どちらが正しいとか間違っているとか、考えてみても始まらない。
日本だから許される、特殊な状況であるということを、外人さんにわかってもらう以外に無いのである。
それを理解する記号をもともと心に埋め込んでいない場合は、きっと一生わからない。
それほど特殊だし、不思議な状況なのだ。
そのような特殊な状況はこの国がまあまあ平和だから起こり得た、の一言に尽きる部分はあるだろう。
でも、平和ながらも、みな様々な境遇をかかえている。たとえば母子家庭への保障がまったく整っていないとか様々な不備はあるけれど、当の女性達の脳内にも根強い「オンナノコ」が存在していて、たとえ何人子どもを産もうが、伴侶に先立たれて生活が大変なことになっていようが、この国の保障制度のイケてなさにどれだけ喘ぐ日々だろうが、心の根っこ、身体の根っこには、不滅のオンナノコが棲んでいる。のだと思う。


そう、日本でも公開された映画「マリー・アントワネット」('06 米・仏・日)を昨年観たとき、そのことをつよく実感した。
いままさに働き盛りの女性達、年齢にすると30代後半から40代後半までの日本女性。この世代の女性達にとって、マリー・アントワネットと言われてすぐさま思い浮かべるのは、池田理代子女史によるコミック「ベルサイユのばら」に登場したマリー・アントワネットだろう。
この大ベストセラーコミックが史実にどれだけ忠実だったかどうかは別にして、歴史もののコミックとしては類をみないキャッチ−さで若年層の女の子達を魅了した。
その後もこの世代の女性達は、高度経済成長の恩恵を存分に浴び、オンナノコ文化にどっぷり浸りながら思春期を過ごした。彼女達は物質的にも精神的にも「オンナノコ」としての人生を力強く生き抜くよう宿命づけられているのだ。
ブリティッシュロックと豪華かつスノッブな小物に彩られたこの映画を手放しで「キュート!」と評することができるのは、おそらく、日本の、それも限られた世代の、強き不滅のオンナノコ達なのかもしれない。




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