とあるお食事会の帰り。
嵐が去り、すばらしい初秋の陽光に恵まれた午後。
何気なく通り過ぎようとしたアクセサリー屋さんの前でふと立ち止まり、何故だかそのまま吸い込まれるように初めての店内に導かれ、ネックレスを買った。
家に着いて包みをほどき、ネックレスの石を黄昏の光に透かし、可能な限りその石の世界に心を同機させてみた。
その翌日、私の生きている、ごくごく小さなセカイの、ごく個人的な領域の座標に、変化が起きる。
急激にどこかが移動し、どこかが縮み、どこかが伸びて、何かがなくなり、何かとつながり、何かが聞こえはじめ、何かが触れたような感覚を得て、世界全体から考えれば小さな小さな変化のはずなのに、私の中の何かが、ガラリと変わる。大きな大きな、変化。
思ってもみなかった、変化。
誰もがそんな変化の数々を毎回小さな驚きをもって迎えている。
そんな変化の、綿々とした連続が、人を見たこともない「どこか」へと運んでいく。
見たこともない、ドコカ。
見たこともない、ダレカ。
見たこともない、ミライ。