Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

番狂わせ

こう毎日が暑くてはね、というわけで、鰻をいただくことにした。
あらかじめ予約をし、正午前には席に案内され、鰻重を注文した。
ややあって、ふと窓の外を見ると、灼熱を帯びたアスファルトの照り返しが私達の両眼をカツーンと射抜く。
その瞬間、ほぼ、二人同時に、「ここはやはりビール・・」となり、「うざく」とともに瓶ビールを注文した。
ところが、ビールはすぐ出てきたが、「うざく」はなかなか出てこない。
窓の外の灼熱地獄を肴に名残惜しくもビールを飲み干してしまった頃、そそそと「うざく」が出てきた。
このあとの用事を考えると、ビールを追加するのは憚られる。
よって、「うざく」は「うざく」としてそれのみを美味しくいただき、ビールはビールとしてそれのみを有り難くいただいた。
一緒に出てくればそれはもう最高であったが、お店の都合もある。
あっさり諦めるしかないのだ。
そのあとにいただいた鰻重がとても美味しかったねということにして、満足の矛先を同行の知人と一生懸命修正し、その日の昼食は終了した。


こういうこと、鰻屋さんじゃなくても、たまにある。
どれも必要なモノなのだけれど、どれも大好きなモノなのだけれど、噛み合わない。
噛み合わないから、必要で大好きなモノであった筈が「ほんとうは要らなかった余計なモノ」「わざわざ注文などしなければよかったモノ」に成り下がってしまうのだ。
最初に注文した「鰻重」だけを「おいしいおいしい」と食べていれば、なにも理不尽な不満足を感じることも無かったのだろう。
夏は、こういう番狂わせがよく起きる。