暖房のせいか、卓上の梅はあれよあれよと言う間に次々と咲き盛り、早くも見頃を過ぎてしまった。
ポンポン蕾がほころんでくる様子を日々眺めているのは実に楽しいものだったけれど、盛りを過ぎた花は可哀想だが捨ててしまわなくてはならず、代わりに木瓜に登場してもらった。
選手交代に際し、梅の枝を花器から引きあげると、ドライフラワー化した大量の白梅の花びらがぽろぽろとテーブル上にまき散らされ、なんとも哀れな心境になる。
その点、多肉植物は一見した限りにおいては変化がとても少ないのでコチラが安心して接していられる。
あくまで「見た目」ということだが。
どんなに気持ちが揺り動かされていても、感情が表に出ない人間、冷や汗をかかない人間、というのもいるわけで、一見クールな多肉植物の内面が大いに変化していたとしても、私はぜんぜん驚かない。
・・・と、ここまで書いたところで、地震！！
天井に向かってのびた木瓜の枝先が、まだ揺れている。。
お財布と携帯電話を握りしめたが、揺れはおさまったようだ。
うーむ。。
そう、多肉植物の話し。
最近、知人がミニミニ多肉ちゃん3鉢セットなるものをプレゼントしてくれたのだ。
音楽を好むと思われる多肉ちゃんゆえ、居間のミニコンポのRスピーカー近くに3体仲良く並べて置いてみた。
果たして、昨年から我が家に住まう古株多肉ちゃんは、1.5メートル離れたLスピーカーの向こうから新たな同居人達をしきりに気にしているはずだ。
私にはわかる。
目には見えない不可思議な回路がヤツらの間には行き交い始めているに違いない。
空中を埋めてゆく、さまざまな思いや情報の軌跡。
そのことを思うと、なんだかとても愉快になる。
木瓜に添えてみた、健康なワンコの鼻のような花芯、のユリ。
