Darieの超~お気楽日記

音楽家Darie(濵田理恵)が日々のことを綴る、超~お気楽日記。

音を喰う

新居に越してきてからというもの、テレビを見る習慣がなくなってしまった。
どうしても見たい番組や映画、仕事でチェックしておかなくてはならないものは、もちろんちゃんと見る。でも、日常生活の中でテレビのスイッチがONになっていることは、ほとんどない。そもそも、テレビは自宅のスタジオに置いてあるのだ。
録音作業中は当然、見ない、見られない。一仕事終えて居間に戻れば、テレビは無い。
そんなわけで、ニュースはインターネットか運転中のラジオで、世俗的な情報は行きつけのお店で友人から伝え聞くのみ。
あと、たまに乗る電車の中吊り広告を次から次へと眺めたおして、世の中の上っ面だけでも知ったような気分になっている。


テレビを見なくなったかわりに、以前は車の中ぐらいでしか聴かなかった「音楽」を近頃はよく聴くようになった。
事務所で使っていたミニコンポを自宅の居間に移したのをきっかけに、頻繁にCDをとっかえひっかえ。
数カ月前には考えられなかったほどの健全なリスナー生活だ。
アナログで持っていたものをCDで買い直したり、好きなピアニストのCDをネットでまとめ買いしたり。
引っ越した当初は妹に「ラジカセでも買ったらどう?」などと進言されていたくらいの無音空間だった我が家の居間には現在、主が一人のときにも、来客時にも、あらゆる音楽が流れている。


・・・そのせいなのか、なんなのか、理由はさだかではない。
さだかではないが、、、スピーカー近くに置いてある鉢植えの多肉植物ちゃまが、俄然成長著しいのだ。
先日も、深夜に帰宅して居間の電気をつけたとき、その成長ぶりに一瞬「ギョ」っとした。
いつのまに、こんなにのびのびと・・。
1ヶ月以上前に水をやったきりなのに、なぜこんなに大きくなるのだろう。
ひょっとして、「音」を養分に成長しているのだろうか。まさかねぇ・・。
一度気になりだすと、もうだめなんである。夜中にふと見やれば、心なしか昨日よりも大きくなっているように思えてくる。
植物は思考する、という説もあるし、私もその説は正しいと思う。
その家の住人にとって、植物は声なき目撃者なのだ。
しゃべらないから、なおのことおそろしい。。
今この瞬間も、一言も発することなく、よくわからない「何か」をこっちに向かって強烈に発信しているのだよ〜〜。
これから先、この寡黙な同居人とうまくやっていくには、どうすればよいのだろうか。
無気味がっていても仕方がない。
多肉ちゃまが好いているであろう「音楽」をかけてさしあげるしかないのだな。。。
そんなわけで、ただいま我が家の居間に流れているのは、常味裕司さんのウードソロ「光輝く街」。
とてもよい。